プリティ・リーグ ペニー・マーシャル監督

 「プリティ・リーグ」である。確かこの映画,最初に観たのはアメリカに行った飛行機の中ぢゃなかったか。映画の中でマドンナがさかんに煙草を吸うのを観て,禁煙の映画館でこれを見せられるよりはここの方がいいトコロもあるナ (当時のオレはスーパーヘビースモーカーだったし,国際線には喫煙席があった) と思ったのを覚えている。ネタが実話であるだけに過剰な「ツクリ」は出来なかったと思うがペニー・マーシャル監督は手堅くハート・ウォーミングに仕上げている。

 1943年,第二次世界大戦で選手を出征させられたメジャーリーグは運営停止の危機に瀕し,女子だけの野球リーグの開催を断行。オレゴンの田舎のソフトボールチームで活躍するドティ (ジーナ・デイビス) とその妹キット (ロリー・ベティ) の姉妹の元にもスカウトがやって来た。

 夫か出征中のドティは気乗り薄だが,キットに引きずられる形でシカゴへ向かう。テストに合格して配属された「ロックフォード・ピーチズ」にはメイ (マドンナ) ,マーラ (メイガン・カヴァナー) ,ドリス (ロージィ・オドネル) らチームメイトと,それに「女は寝るもんだ,野球なんかできるか」とうそぶく往年の名選手,ジミー・ドウガン (トム・ハンクス) が…。

 特に感動的なラスト,エンドロールで流れるお婆ちゃんたちが野球をやってる映像 (これは88年の表彰の時の実写,実際の元選手達を写したものだと思う) には涙が滲む。んで,そんだけにこの映画の邦題はどうかと思う。飛行機の中で観なかったらおそらく一生観る気にならなかったんぢゃないか? 

 原題の「A League of Their Own」をそのまま翻訳すれば「彼女たちのリーグ」である。つまりこの映画は「キワもの扱いの中で始まった女子リーグが,選手達の努力によってその価値を認められ,ついに88年,クーパーズタウンの野球殿堂に入った。彼女達は自身の手で自身のリーグを作り上げた」顛末を描いたものなのに,その映画自体をこの邦題はキワものにしちまっている。もうちったぁ頭を使ったらどうだ? 尻の1メーター上あたりについてるだろ?


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